ねえ、いい加減に気付いて、お願い。
私は、皆が好き。
でもね、博愛主義になんてなれないよ。
私は、鏡。
皆を映す鏡なの。
私の態度が、あなたの態度だと、そう思ってください。
私だって皆平等に愛したい、よ。
けどね、私はそれほどできたヒトじゃないから。
臆病だから、やっぱり自分を守ってしまうの。
私だっていつもいつもヒトのことばかり考えてはいられないの。
だから、あなたに強制はしないわ。
その悪いクセをなおせなんて言わない。
私にだって悪い所はいっぱいあるから。
だけど、お願い。
そろそろ気付いてください。
もっと、辺りを見回してください。
自分で手一杯なのは皆一緒。
私もそう。
でも、少しだけ目線を上げてください。
そしたらきっと何かが見えるから。
 
だから、こうして鏡で主張をするの。
自分で気付かなきゃ、意味ないでしょう?
 
ねえ、本当にお願い。
私、本当はね、ずっと言いたいことがあるんだよ。
でも、言わない。
その代わり、私の意見を言ってみるの。
それをどう受け止めるかはあなた次第。
プラスに考えるもマイナスに考えるもあなたの勝手だから、私は何も言わない。
 
―― けど、これだけは覚えておいてください。
 
私は、鏡。
あなた自身を映す姿見。
私だってこんな自分が嫌になることだってあるよ。
「鏡」だなんて高慢だと思うかもしれない。
けど、私は気の利いたことなんて、できないから。
これくらいしか、できないから。
 
だから、お願い。
早く気が付いて……。
 
 
 
早くこれが、私からのSOSだと気付いてください。
 
 
 
 
そして、早く、この、本当の意味に気付いてください。

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